ことりのひとりごと 2002

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(2002/9/17) 慣れとは恐ろしいということ

「HP」というと米国カリフォルニア州の「Hewlett-Packard Company」のことであって,決して「ホームページ」のことではない。・・ないのだが,ここ数年来,ホームページ(というか,Webページ)を「HP」と略す人が多数を占めるようになり,ことりの周囲に於てもビジネス関係,個人的関係を問わず跳梁跋扈するのていたらくである。

そんな中,本日の業界ニュースの中に,次のような見出しがあった。

オープンソース提唱者のペレンズ氏がHPを退職

で,ことりは実際に一瞬こう思ったのだ。(HPを退職? ホームページの制作をやめたのか?)・・と。嘆かわしいことではあるが,これが人生というものだ。

だから,我々が「こうである」と判断する際の根拠は,きわめて薄弱なものであると言わねばならない。それは習慣によって形成され,時間とともに変化するものにすぎない。「HP」はいまや「ホームページ」の略であって,「ヒューレット・パッカード」の略ではないのだ。

(2002/5/23) きみは見られている

わたしが通勤に利用する上り列車の中には,成田空港発のものがあるので,ときどき航空貨物タグのついた,でっかいトランクだのカートバッグだのを持ったやつが乗っている。通勤時間帯にそういうのが居ると迷惑なわけだが,まあそれはいい。

先日,やはり一見して空港から乗ってきたとわかる白人系の女性が,ドアのすぐ脇の席に座っていた。わたしは彼女を横から見下ろす位置に立った。例によってでっかいカートバッグを膝の前の床に置き,DELL の B5 ノートを膝に乗せている。マシンに会社名と名前を書いたシールが貼ってあるから,彼女は G 社の C 氏(一応伏せる^^)であるとわかる。

マシンには PHS カードが挿さっており,C 氏は Outlook を起動して自分宛に来ているメールを読もうとあがいているようなのだが,電波状態はよろしくない。ようやくメールの一覧が出たと思うと,ぶちっと接続が切れる。そのたびにダイアルアップし直す。・・ふむふむ,パスワード入れる手元が丸見えだ。いいのか?

どうやら会社の Exchange Server か何かを使っているようで,それなりにセキュリティが厳しいのだが,そのために手間がかかり,それが劣悪な通信環境では裏目に出る。接続 → Outlook 起動 → ログイン → プロファイルの読み込み,と進んでやっと自分宛のメールが見えた・・ と思った頃にはまたぶちっと切れる。そうすると Outlook が凍りつくらしく,無造作に [Ctrl]+[Alt]+[Del] でプロセスを殺す。ようやく再起動してさっきの所まで進み,おもむろにメールの返信を書き始める(400万ドルの韓国ビジネスの話書いてるのが丸見えだぞ,いいのか?)・・とまたぶちっ。

そのうち市川あたりでどっと客が乗ってきてノートに膝蹴りを食らわせ,彼女はついにあきらめて,シャットダウンして閉じたのでありました。結局四街道〜錦糸町間でメール1通読んだだけ。しかも身元は割れるわパスワードは抜かれるわ,ふんだりけったり。みなさんも気をつけましゃうね。

(2002/4/8) 転送メールにご用心

おひさしぶりでございます。

メール機能をもつ携帯電話の普及に伴い,自分の常用するアドレス宛のメールを,携帯端末に転送するように設定している方も多いことだろう。わたしもそのようにしている(ただし,iモードなので受信文字数に制限があるため,分割して見られる無料サービスを利用している)。メールの転送はきわめて便利な機能であるが,そこには落とし穴があることを忘れてはならない。設定を誤るととんでもないことになる可能性がある。

【1】 まずは簡単な例。A 宛のメールを B に転送するように設定し,しかも B 宛のメールは反対に A へ転送するよう設定してしまった場合。転送が交互に無限に行われてしまう。もし転送時に元のメールをサーバーに残す設定にしていれば,メールが果てしなく増殖することになる。・・これはあまりにもトリビアル(あたりまえの話)なので,「そんなことする奴おるんかいな」と笑うかもしれないが,3つ以上のアドレスで複雑な転送関係を設定していると,思わず知らずループができてしまうことがある。もっとも実際にはメールサーバーが配送回数をカウントしていて,あまり何回も飛ばされているメールはループしていると判断して配送を中止するから,本当の無限ループにはならないが。

【2】

単純に A 宛のメールを B に転送するというだけの設定でも,妙なことは起こりうる。A から自分宛にメールを送信し(控えのために自分に Bcc するというのはよくあることだ),たまたま B のメールサーバーが不調で落ちていたりした場合。B への転送が失敗するので,エラーメール(見たことがあるだろう,"MAILER-DAEMON" とかいう奴からくる英語ばかりのメールだ)が返ってくる。どこへ? 差出人である A 宛にだ。このエラーメールは設定に従って再び B に転送される,しかし B のメールサーバは相変わらず落ちているから,またもやエラーメールが返され,・・
だから,「エラーメールは転送しない」といった設定が必要になる。多くのプロバイダではそのような設定になっているようだが,そうでないところもある。
ちなみに,A のアドレスでメーリングリストに入っており,B へ転送するように設定していて,上記のように B のメールサーバーがダウンすると,メーリングリストのメンバー全員にしょうもないエラーメールの嵐を撒きまくることになる。というのは,メーリングリストから来るメールの差出人は,メーリングリストそのもののアドレスである場合が多いからだ。これをやると,ほぼ確実にメーリングリストから追放されるであらう。
【3】 さて,A 宛のメールを iモードアドレス nanntara@docomo.ne.jp に転送する場合を考えてみよう。どうも最近 iモードにジャンクメール(SPAM メールとも言われる,不特定多数へのばらまきメール)が多くくるようになったので,ドコモのお勧めに従って iモードメールアドレスを複雑なものに変更することにしよう,というわけで fukuza2na-namaA@docomo.ne.jp に変えた,ところが A の転送先アドレスを変更するのを忘れている! ありそうなパターンではないか? あなたは大丈夫か?
この状態では,誰かが A 宛にメールを送るたびに,その人は転送の失敗によるエラーメールを受け取ることになる。困るのは,A 自身へはちゃんとメールが来ているので(もちろん iモードへの転送は来なくなるが,転送をしていたこと自体を忘れてしまったりする奴も多いのだ),A 自身は設定が狂っていることに気づかない可能性があることだ。また,この状態で A から自分宛にメールを送信すると,【2】と同じ問題が発生する。

このように,エラーメールという存在は,とんでもないことを巻き起こす要因になる。それに,エラーメールが発生する原因は,設定の誤りやサーバーの不調に限らない。

たとえばしばらくメールを読まないでいたり,サイズの大きい添付ファイルつきのメールがいくつも来ていたりすると,サーバーの容量が限界に達することがある。このときそれ以上のメールが来ると,サーバーはエラーメールを返してしまう。携帯メールの場合,制限はもっと厳しいのが普通だ。たとえば iモードの場合,50通をこえるメールは受け取れないし,添付ファイルは当然だめ。あなたが電波の届かない所にしばらくいた間に,メールボックスがいっぱいになってしまう可能性は十分にある。このときにもエラーメールが返っていく。

設定が正しく,サーバーが順調に稼動していたとしても,完全に安心することはできない。インターネットは「確実につながることが保証されないネットワーク」なのだ。何かのはずみで,メールが目的のサーバーに到達できないことはありうる。数時間たっても目的のサーバーにつながらない場合,通常は差出人にワーニング(まだエラーではないが,注意を促す)のメールが返されてしまう。

で,実は今日,事務所の先輩がとある取引先に 1MB 以上もある添付ファイルをつけたメールを 3通送ったのだが(送るほうも送るほうだが),これがことごとく転送エラーを引き起こし,彼のもとへは 500通をこえるエラーメールが(そのすべてに元のメールが添付されているから,みんな 1MB 以上あるわけだ)怒涛のごとく打ち返されてきたのである。しかも先輩は自分の iモード端末にそれを転送していたから,iモードは十数分にわたって着信ベルが鳴りっぱなし。あわてて相手に電話すると「ちゃんと来てますよ」 ・・ってあんた,問題は転送設定にあるんだってば。


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